JA勝英からのお知らせ

アスパラガス茎枯病の対策

(2019年05月27日更新)
勝英農業普及指導センター 副参事 長浜 準子
春から順調に収穫を続けてきていると思いますが、もうすぐ梅雨の季節を迎え、立茎する時期になります。茎枯病と戦う時期が始まります。露地栽培において茎枯病は、減収に繋がる重要病害です。今回は茎枯病の特徴と、その対策について説明します。

■茎枯病の特徴

茎枯病の感染経路は大きく2つに分けられます。1つ目は地表面の病原菌が雨滴で跳ね上がり、茎に付着し感染する経路、2つ目は病斑に形成された黒い粒状の胞子が飛散して別の茎に付着し感染する経路です。
また、発病した茎は、その後防除してもほとんど治らずに枯死することも、大きな特徴です。

■茎枯病防除の考え方

雨滴の跳ね上がりで感染することから、露地栽培で発生が拡大しやすい病気であることがわかります。そのため、そもそも病気を発生させないよう、立茎する時期に防除を徹底することが重要なポイントになります。つまり、茎枯病防除の考え方は、「病気が出てからの対応」ではなく、「病気が出てない時から徹底的に予防」が基本となります。

防除のポイント

アスパラガスの生育や茎枯病の感染経路にあった防除方法でなければ、効果的とはいえません。
そこで、効果的なポイントついて3つ説明します。
①立茎直後に防除を開始
茎枯病の病斑が出始めるのは親茎になってからですが、病原菌の感染は立茎が終わってからではなく、萌芽直後から始まります。
このため、立てる茎を決めたら、その茎が20cmになるまでに、数回防除をして下さい。
②立茎開始から1か月は徹底的に
立茎開始から1か月間は病気に非常に弱いので、この時期に防除を怠ると、8〜9月に茎枯病が蔓延する恐れがあります。
このため、立茎開始から10日間は3日に1度、10〜30日間は5日に1度、防除を行いましょう。
③降雨前防除を徹底的に
「防除しても、雨が降ると薬が流され、無駄になってしまう。」という心配の声をよく聞きますが、必ずしもそうとは限りません。
茎枯病は雨滴による跳ね上がりで感染拡大しますが、降雨前の防除に一定の効果があることが産地現場で知られています。使用する薬剤は、安価で使用回数制限のない「Zボルドー」や「コサイド3000」で十分です。

■病茎を早めに除去する

防除を徹底するとともに重要なのが、黒い粒状の胞子を形成するまで病茎を放置しないことです。すなわち、病茎を早めに除去し、ほ場内に残さないことです。
①毎日、茎の状態を確認し、見つけ次第、早めに除去する
茎枯病は次の段階があります。
《初期》茎表面に水浸状で褐色のの小斑点をつくる。
《中期》病斑が紡錘形に拡大するが、茎表面はまだ水浸状の段階。表面に黒色胞子は未形成。
《後期》茎表面の病斑に拡大し、黒く小さな粒(胞子)が見える。
後期に入ると胞子が飛散し、防除がより困難となりますので、中期までに病茎を除去しましょう。病斑が疑われる茎があれば、石等の目印を置き、次の日に必ず確認しましょう。
②除去した病茎はほ場から持ち出す
除去した病茎をほ場の隅等に放置している様子がたまに見受けられます。これは、放置場所で胞子が形成され、感染が拡大するので、茎枯病の伝染源を提供するようなものです。病茎は必ずほ場外に持ち出し、焼却もしくは埋没などしましょう。
③中期以上進んだ病茎は必ず除去する
カセットバーナー等で病斑を焼くと、茎枯病が進展せず、病茎を除去しなくて済んだという事例があります。しかしこれは初期段階での処置に限ります。茎内部まで菌が侵入している場合には効果がありません。立茎数が減るためバーナー焼却で済ませようと思いがちですが、除去後、新しい茎を立て直すか、予め1〜2本/株増やして立茎する方法がありますので、中期以降の茎枯病は、バーナー焼却で済ませず、病茎を除去してください。

■最後に

茎枯は一度病気が蔓延してしまうと、その後対策をしてもなかなか回復しません。早めの対策を徹底しましょう。

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