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黒大豆の種子調湿処理による発芽率の向上について

(2019年02月25日更新)
黒大豆の播種期は梅雨時期と重なるため、降雨による播種作業の遅れや発芽不良が問題となっています。そこで、調湿処理種子による黒大豆直播栽培実証を行ったので、その概要について紹介します。

1 種子の調湿処理とは?

大豆の種子は、播種後急激に吸水すると子葉の組織が壊れて発芽不良を起こしやすくなりますが、播種前に予め種子水分を高めておくことで、発芽不良を防ぐ効果が期待できます。また、播種から発芽までの時間が短縮され、出芽までの降雨で種子が水没するリスクが軽減されます。

2 実証事例の紹介

(1) 実証の概要
1)種子の調湿処理方法
  • 水稲用育苗箱に種子を敷き詰めて水稲用育苗器に入れ、表1のように32℃で加湿し、電源を切って放置する処理を3回行いました。
  • 今回は種子がよく乾燥していたため、目標水分17%に近づけるのに当初の想定より長時間要し、処理時間が増えてしまいました。
  • 処理後、密封できる袋に入れて米用保冷庫にて約2週間保管しました。
表1 種子調湿処理の実施時間と種子水分含有率の推移
処理前
1回目処理
2回目処理
3回目処理
育苗器電源入
7時間
1時間
4時間
育苗器電源切
7時間
1時間
4時間
種子水分含有率
10.5%
14.0%
14.2%
16.1%
2)耕種概要
  • 黒マルチ直播栽培で行い、通常の乾燥種子を播種する「乾燥種子区」と、調湿処理を行った種子を播種する「調湿処理区」を設け、同一ほ場に播種しました。
  • 調湿種子は播種2日前に保冷庫から取り出し、播種前日にクルーザーMAXXを塗抹しました。
表2 試験区ごとの耕種概要と種子水分含有率
調湿処理日
播種日
種子水分含有率
乾燥種子区
6月15日
10.6%
調湿処理区
5月31日、6月1日
6月15日
16.0%
(2)調査結果
  • 種子調湿処理を行うことで、最終的な発芽率は84%から96%に向上しました。
  • 播種から発芽までにかかる日数も調湿処理区の方が短く、播種5日後には51%が、播種7日後には92%が発芽しました。
表3 試験区ごとの発芽率の推移
播種5日後
播種7日後
播種10日後
乾燥種子区
17%
62%
84%
調湿処理区
51%
92%
96%
(3)今後の課題
黒大豆の直播栽培における種子調湿処理の発芽率向上効果が確認できましたが、含有水分の異なる種子を目標水分17%に近づけるまでの処理時間などを検討していく必要があります。
お問い合わせは、勝英農業普及指導センター(0868-73-4067)までお願いします。

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